
ライ麦粉を使ったパンを焼いたことがある方なら、発酵の扱いが小麦粉だけのパンと少し違うと感じたことがあるかもしれません。Archive Nestでも、ライ麦30%配合の食パンを仕込むとき、発酵時間の調整が一番気を使う工程です。その理由を少し整理してみます。
01 ライ麦粉に含まれるペントサンの働き
ライ麦粉には、ペントサンと呼ばれる多糖類が小麦粉より多く含まれています。ペントサンは水を吸収する力が強く、生地全体の水分を抱え込みます。そのため、ライ麦を配合した生地はべたつきやすく、こねても小麦粉だけの生地のようにグルテンが形成されません。
グルテンが少ない分、生地を膨らませる力は酵母のガスだけに頼ることになります。発酵時間を十分に取らないと、ガスが生地全体に行き渡らず、焼き上がりが詰まった食感になります。
02 冷蔵での発酵が有効な訳
Archive Nestでは、仕込んだ生地を冷蔵庫に入れて18時間以上かけてゆっくり発酵させています。室温で短時間発酵させる方法と比べると、酵母の活動が穏やかになる分、有機酸が少しずつ生成されます。これが風味の深さにつながります。
熊本の夏は気温が高く、室温発酵だと過発酵になりやすい。冷蔵発酵にすることで、季節による気温の変化に左右されにくくなります。ただし冷蔵庫から出した後の生地の戻り方は季節で変わるため、毎朝の状態を見ながら焼くタイミングを判断しています。
03 家庭で実践する際のポイント
家庭でライ麦パンを焼く場合、最初はライ麦の配合を20〜30%程度に抑えると扱いやすいです。配合が高くなるほど生地がべたつき、成形が難しくなります。
発酵時間は室温に合わせて調整してください。夏場は冷蔵庫を使うことをおすすめします。焼き上がりの内部温度が95度前後になっていれば、中まで火が通っているサインです。
- ライ麦配合は最初20〜30%から始める
- 夏は冷蔵発酵を使う
- 生地はべたつくので打ち粉を多めに
- 内部温度95度を目安に焼き上げる
ライ麦パンの発酵は、小麦粉だけのパンより変数が多い分、焼くたびに少し違う結果が出ます。それが面白いところでもあります。